1
鬼太郎の元に助けを求める手紙が舞い込んだのは、ある夏の日。
「北斗七星になるんだ」謎の言葉を残して、10歳の子供たち5人が姿を消していた。
ことの内容に引っ掛かりを感じた鬼太郎は、調査に乗り出す。
聞き込みを始めた鬼太郎の耳に、子供たちの間でささやかれている噂が届いた。



新手の「学校の怪談」めいたその噂の主人公は「メリーさん」。
誰もいない学校で笑い声と足音を立てるとか、会ったら体中の血を抜かれてしまうとか、よくあるオバケ話のような話の中に、ちらりと耳に残った言葉があった。
「メリーさんは電話をかけてくるんだよ。どこに逃げても必ず電話が追いかけてくるんだって」
「電話を受けて学校に行ったきり、帰ってこない子がいるんだって」
そして、子供たちの間でもちきりのその噂話を、真っ青な顔で聞いている子供たちが3人。
祐子、翔太、淳の仲良しトリオだった。
3人はプールに行く道すがら、得体の知れない物体を見てしまったのである。
道端に落ちていたそれは、ぶよぶよと自力で動くゼリーのような塊で、立ちすくむ3人の目前で破裂して消えた。
声もなく釘付けになっていた3人は、破裂する瞬間のうめき声のような言葉を聞き取っていた。
「め…メリ、サン…」



誰にも話すことが出来ず、恐怖に思いつまった3人は、鬼太郎に助けを求める相談を始める。
その切羽詰った様子を偶然見かけた小学生・松宮綾音が、鬼太郎と言う言葉を聞いて3人に声をかけた。
「うちに来なよ、ゲゲちゃんにFAX送ったげる。なんかせっぱ詰まってるみたいだし…手紙じゃ2,3日はかかるじゃん?」
警戒する3人だったが、そのにわかには信じがたい話を綾音ばかりか松宮家の大人たちはすんなりと受け入れた。
実は、松宮家の母・勇樹は鬼太郎と古い友達。3児の母となった今でも変わらぬつきあいを続けており、数日前にも鬼太郎に「メリーさん」のことを訊ねられていたところだったのだ。
この一件に関して、悪魔くんこと埋れ木真吾にも話を聞いてもらう必要があることを感じた勇樹は、夏木たちを警護につけて子供たちをひとまず家に帰す。
ようやく助けを得た子供たちがやっと眠りについた深夜、事件が起こった。





<呪詛遊戯  1  
ら・むうん畑
博物館TOP
図書館TOP

ら・むうん畑
博物館TOP
図書館TOP
おまじない あそび
呪詛遊戯